掌編

りんごそう心の中でつぶやき、彼女は別の少女に視線を移す。性格は控えめで、自己主張が強いタイプではない。容姿もある一点を除けば地味な印象だ。メロン！そう、その推定Ｊカップはあろうかという爆乳以外は。少女は己の胸に両手を手をあてた。みかんそし...

神社にお参りに来た少女達は、賽銭箱に小銭を投げ入れると手を合せて願をかけた。「なにお願いした？」「ん、ほら今度の期末試験とか」「私も私も。あんたは？」「うん、あたしもそんな感じだよ」そう、彼女たちの思いは一つ。口に出さない本当に願った内容...

「あなたもガングロ好きなの？」「もちろん、イチロクとシグ推しよ」ゲーム『ガンズ・オブ・グローリー』の話で盛り上がる二人。「わかるわ、イチロクのヘタレ攻めがいいのよね」「え、イチロクは受けでしょ？」二人の間で「かけ算」の趣味が分かれる。お互...

「これね」少女は図書館の奥に収められた一冊の本を手に取る。それはこの学校の図書室に秘かに語り継がれてきた秘密。少女はその場に座り込み、本のページを開いた。「うわー、え？　ええ!?」顔を赤くしながらその本を読みふける少女。それはかつて卒業生...

「ストッキングとタイツの違いって知ってる？」彼女は少し前へと進む。その脚にはストッキングを穿いていた。いや、これはタイツなのか？「30デニール以上がタイツなの。デニールってのはまあ生地の厚さね」「私が穿いているのはタイツなんだけど、ストッ...

「お手！」少女の差し出した手のひらに、犬がちょこんと前足をのせる。「よーし、いい子だね」と犬の頭を撫で、「じゃあ、次はちんちん！」犬は前足を上げ、身体を立てる。「……ぷっ」その姿を見て少女は吹き出した。「ちんちんついてないけどちんちん！」...

「トリックオアトリート！」ドアを開けると従妹の少女が仮装をして立っていた。「お菓子か、食いかけのポテチなら」「もうっ、これ差し入れ」そう言って紙袋が差し出される。「ふふ、お菓子をくれないなら悪戯しちゃおうかな～」少女がニヤリと笑う。「エッ...

「あ、寝てた」机に突っ伏していた男子が顔を上げる。「あとでノート見せてくんない」彼は隣の女子にそう頼む。「ん？　でも私のノートは読めないよ」そのノートに並ぶのは意味不明の文字列だ。「速記って言ってね。特殊な符号で文章を書くの」それが彼女の...