小説

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11/20 毛布の日

「可愛いね~」ヌイグルミを抱いた女の子を見て彼女は相好を崩す。「あのヌイグルミがあの子の『安心毛布』ね」隣の少女がそう言った。「幼児は何かに執着することで安心感を得ているの。あなたも昔はそうじゃなかった?」「あー、なるほど。でも今は――」...
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11/19 いい育児の日

彼女が手を繋いで歩くのは、近所に住む小学生の男の子だ。その子の母親からも、いつも世話を焼いていることに感謝されている。しかし、彼女には胸に秘めた野望があった。「ねえ、私のこと好き?」「うん、おねーちゃんだーい好き」(ク、ク、クッ……)逆光...
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11/18 いいイヤホン・ヘッドホンの日

「どんな音楽聴いてるの?」イヤホンをしていればそう訊かれることもあるだろう。「ん? 普通のJ-POP。ほら、HIASOBIとか」しかし、その答えは本当だろうか?(言えない……燦々亭平楽師匠の落語を聴いてるなんて)あるいは――(言えない……...
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11/17 将棋の日

相手の玉は角とナイトに守られていたが、その隙間に黒石を打ち込めば詰みに持ち込める。彼女は勝負をかけた。黒石を打ち込んで相手の玉に迫る。「王手!」「あんたら何やってるの?」その様子を見ていた友人が訊ねる。「スーパーボードゲーム大戦」盤上には...
今日の桃色女子高生図鑑

11/16 国際寛容デー

「悪い、教科書忘れちゃった。見せてくんない?」隣の席の男子が彼女に頼む。「もう、しょうがないなぁ」「あー、消しゴムがないや。貸してくんない?」「もう、しょうがないなぁ」しかし、返された消しゴムを見て彼女の表情が凍り付く。「おいこら、なんで...
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11/15 いい遺言の日

彼女たちは超巨大パフェを食べるのに挑戦していた。二人で一時間以内に完食すれば代金がタダになるほか賞金も出る。黙々とフルーツとアイスとクリームを食べ続ける二人だったが――一人がテーブルに倒れ伏した。「ふっ……どうやらここまでみたいだ。あとの...
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11/14 いい石の日

「こいこいこいっ!」彼女は今日もガチャを回す。それは女子の間で大人気のソシャゲ『ガンズ・オブ・グローリー』だった。「もうっ! またナンブ!?」推しのSSRキャラ・マクミランは一向に出ない。それでも諦めずにガチャを回す。これは推しへのお布施...
今日の桃色女子高生図鑑

11/13 いい焼き芋の日

彼女は炎をじっと見つめた。ゆらゆらと揺れる炎はいつまでも見ていられる。動物にとっては恐れるべき炎に、なぜか癒やしを感じてしまう。それは火によって文明を発展させた人間故か。「ま、そんなのはどうでもいいや」そう呟き、焚き火の中からアルミホイル...
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11/12 パンの日

転校初日の朝、彼女は食パン一斤を手に持ち、それを食べながら学校へ向かって走る。「やーん、遅刻遅刻」そして曲がり角でそこから出てきた相手とぶつかった。「きゃっ!」尻餅をつく彼女に手が差し伸べられる。「大丈夫かい、可愛いお嬢さん」「はい、お姉...
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11/11 靴下の日

「誕生日プレゼントで欲しいものってなに?」放課後、彼氏に空き教室に呼び出されてちょっとドキドキしながら訊ねる。(もしかして「私」とか……いや、そんな、ダメっ)そうは思いながらも少し興味もあって。しかし、彼氏の言葉は彼女の斜め上方向に予想を...
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